APNF アジア太平洋ネットワークフォーラム

APNF アジア太平洋ネットワークフォーラム

アジア太平洋圏内における国際相互理解の促進

 みなさん、こんにちは。アジア太平洋ネットワークの田中茂です。
 今、 世界は大きな転換期を迎えています。深刻な民族紛争と宗教間対立、テロの脅威、混迷化する朝鮮半島情勢、そして中東 ・ 北アフリカでの民主化運動「アラブの春」が燎原の火の如く世界的に燃え広がり、 様々な問題が複雑に交錯してきています。

 更に、 アメリカのサブプライム問題に見られる金融危機は、 現代の拝金的風潮や瞬時性・利便性・効率性を追求し過ぎたネット社会の負の部分を示すものです。そして、 ギリシャの経済危機はEU存続にも影響を与えつつあります。また、石油や食糧等の世界的資源不足の問題、地球温暖化や環境悪化の問題、 国を超えた疫病の蔓延等の地球的規模の課題への対応、 さらに最近の国際情勢の推移に応じて、従来のアメリカ一極支配の世界から多極的 ・ 多元的世界へ展開しつつある現状等々に対して、いかにして平和と繁栄の世界的新秩序を確立していくか、私たちには大きな課題が投げかけられております。

 このような中、東アジアにおいてはアセアン諸国を中心に共同体建設の理想が唱えられ、その具体的推進について各国は真剣に研究し、実践の方策を検討しております。これらの問題については、環太平洋の国々の協力は不可欠であり、この理想に対して相互に緊密に話し合い、協力の方途を探ることが、私たちに課せられた大きな責任であります。

 元来、 東アジア ・ 西太平洋の地域には調和の哲学に深く根ざしている文化の多元的共存の精神と穏やかな民族性が存在し、 基本的生活の智慧として節制と妥協があります。反覇権、 反大国主義の考えが極めて普遍化しており、 平和共存の哲学が横溢している地帯であります。従って、 この地域では各国が独自性を持ち各々の国情に適合した方法で市場経済を発展させており、 これらの独自性は大きな強みであるでしょう。

 歴史的に見て、世界中で誕生している文明は多様、多元でありますが、その存続の基本は、人類は人類に対しては寛容でなければならないということです。世界各地の人々は、 その固有の伝統の上に、他の地域の人々の真摯な思索や倫理体系、 独自の美意識についての理解を深め、 その共通点によって連帯感を強め、またその相違点によっては、相互に刺激し、吸収し、相補完しつつ互いに切磋琢磨していかなければなりません。

 人類は無知のものに対して、大きな好奇心を持ち、それを摂取して向上しようとする意欲を持っています。その吸収、摂取の過程には人類的友愛もあれば、利己的敵対も存在するのが、人類の歴史であります。しかし、 中長期の歴史から見れば、 敵対は大きな融合への一時の刺激剤でありましょう。新たな次元へ向けて、世界の産業文明や精神文化に活力を付与していくためには、異種文化間で相互が刺激し、摂取しあい、相互の創造的発展が図られる必要があります。

 私たちは常に同じ地球に住む人間としての自覚を持ち、各国、各地域と連携しつつ世界の平和と安定のために謙虚に奉仕し貢献すべきであります。そして、アジア太平洋議員フォーラム(APPF)が、将来のこの地域の多国間による「政治的ドーム」建設の中心的基盤になり、それを補佐するアジア太平洋ネットワークフォーラム(APNF)の役割はますます広がってくると確信しております。

2011年11月21日
理事長